今日もお外が、呼んでいる。

毎日の、スローランニングやウオーキングの記録。読書メータまとめも。

2月読書まとめ

2月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3082
ナイス数:134

チェンジ! (ハルキ文庫)チェンジ! (ハルキ文庫)感想
「コンバート」「背番号」「やりのこした事」「四分の三」「友」の5編。野球場を離れた所での、選手や監督の葛藤。タイトルがその内容を的確に表現していて、ナイス。ずっと野球の仕事をし続けられる選手はごくわずか。野球しかしてこなかった選手たちが、ぶち当たる壁。エース番号から大きな数の番号への変更や、ゴールデングラブ賞も何回も獲っているのに外野へコンバートだと?!。よく見る光景ではあるけれど、その心の中を少し見ることができた気がする。最後の2軍監督の憂いも、「どうなるんだろう、この先」という心配が伝わってきた良作。
読了日:02月01日 著者:柴田よしき
トッピング: 愛とウズラの卵とで~れえピザ (単行本)トッピング: 愛とウズラの卵とで~れえピザ (単行本)感想
病気の妻に「笑顔になってもらうために」。ただそのために、福男を目指したり、南極老人星を見るツアーを計画したり。とにかく雅彦の一直線な「ファイト一発!」的なパワフルさに脱帽。というか、全編通しての岡山弁もあいまって楽しく読む手が止まりません。あゆみのがん治療の話も出てくるけど、あっさり書かれているので重くはありません。あゆみの実両親の話や、雅彦一家やその商店街の人々との話も織り交ぜてあるので、自分もそこにいるような感じもありました。ちょっとほろっと、だけど元気になれました。川上さん70歳とは思えない瑞々しさ
読了日:02月07日 著者:川上 健一
ほどほど快適生活百科ほどほど快適生活百科感想
私は群さんと約一回り年下。日々の事家族の事に怒っていた文章が、かつては楽しかったけど。今作はそろそろ人生の終盤への一歩を踏み出した「ちんまり」感があり。それに共感する私も、同じように年を重ねたのだなあとシミジミ。40歳と50歳じゃ、全然身心の活動力が違う。「アンチエイジング」もいいけれど、フルメイクなのに表情乏しい人よりは、シミがあっても笑顔でニコニコな方がずっといい。TVを点けっぱなしより、ラジオ派。猫ネタもあるあるだったし。最後は猫のように「あら、いないわね」と終わりたいのも同感。寝る前に少しずつ読了
読了日:02月08日 著者:群 ようこ
真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5) (ハルキ文庫)真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5) (ハルキ文庫)感想
「美味しくてリーズナブルで栄養バランスが良くて季節感のある料理」そんな姑・一子のポリシーも、時代とともに変化しなければ店は残っていけなくなってきて。だけど一子が怪我したり、夫や息子の死を乗り越えて。ここまではじめ食堂は頑張れた。今回はバイトの万里が大活躍でした。外で食事しても「これはああすればいいのに」と早速メニューを提案し、時には常連さんも交えて。イスラム教のムスリムの賞は、なるほどなあ、と。一子の経験した戦後も、お米次さんじゃないと宿に泊めてもらえないとか。「誉め言葉は食堂で働く人には何よりもご褒美ね
読了日:02月11日 著者:山口恵以子
コトラ、母になる―津軽のネコの四季物語コトラ、母になる―津軽のネコの四季物語感想
図書館で「2/22猫の日」特集コーナーで見つけました。岩合さんの「世界ネコ歩き」は、15分版の「mini」も欠かさず見るほど一家で大好きです。世界中を飛び回っている岩合さんが、一年間通った津軽での撮影話。特番見たはずなのに、頁が進みました。この特番を取ることで、岩合さんの休日がなくなっても撮り続ける。コトラに「今から赤ちゃん撮らせてね」と話しかけるなど、猫の懐に入っていく岩合さんの姿がいいなあ。でも猫の世界の厳しさ(子を産んでも殺めてしまうなど)も、あえて文章で書くことで。外ねこの世界の厳しさを感じました
読了日:02月12日 著者:岩合 光昭
蒼のファンファーレ蒼のファンファーレ感想
1作目をしらずに読んだけど。競馬小説って初めて読んだかも!。連れられて地方・中央競馬に何回か行ったことがあるので、すんなり入り込めました。厩舎にいる調教師・厩務員(世話役)・乗り役の旗手。そして一番の主役の馬たち。それぞれの出来事が色とりどりな模様を描いています。そして馬は、レースで負かされた相手や、必要に鞭を打たれた騎手の事を覚えているって、やっぱ生き物だな。レース直前のアクシデントの場面。厩務員・カニ爺の必死の叫びに涙腺崩壊。緑川厩舎みんなの託した牝馬「フィッシュアイズ」。最高な場面でした。
読了日:02月13日 著者:古内 一絵
大人は泣かないと思っていた大人は泣かないと思っていた感想
市町村合併で吸収された村に住む、農協職員・時田翼。彼を軸に、友人や同僚、別れた母、ゆず泥棒とおぼしき「小柳レモン」。それぞれの話が連作短編集として連なっています。なので、少しずつ読まないと「これ、誰だっけ?」となりつつもサラッとした文章なので、読むのに熱量を上げることなくFin。本のタイトルに目が行くように、途中途中「おっ?!」となる文章もありました。親の介護だったり、結婚式に元カノが来たり、子の結婚だったり。年齢ごとに「こんな人いるな」「これいつか自分にもあてはまりそう」な箇所もありました。
読了日:02月15日 著者:寺地 はるな
恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。感想
なんて素敵な作品なんだ!。作品に恋をしてしまったかもしれない。バーのマスターのお酒の話や、「ちょっと聞いていただけます?」とお客が話し始める恋愛話。そしてその内容に合わせた60~70年代のジャズ。「おいしいと感じる4割は、その場の雰囲気」と出てきたけど、その通り。以前TOKYOFMで放送された「サタデー・ウェイティング・バー」の「AVANTI」バーと、ちょっと似た感じかな。ショートショートな恋愛話が、いくつも綴られていて。どれもいつかの自分かもと思わせる内容に酔いしれました。寝る前の一冊でもいいかも
読了日:02月16日 著者:林 伸次
猫から出たマコト猫から出たマコト感想
2/22猫の日に合わせて、図書館での「ねこ本特集」からチョイスしました。そういえば猫にまつわる諺って、マイナス的なイメージが多いかも。「猫ばば」っだって、たまたま地面に落ちていたものをありがたく頂戴しただけで。地面は猫のテリトリーだよなー。「猫なで声」も、やさしい”ふり”をして出す声。だけどにゃおと甘える声は、だましてなんかいない「真実の声」。いずれも猫に積みはないのでアール!。な、赤瀬川さんの写真やイラストが添えられているのも楽しい。「猫よけペットボトル」の、赤瀬川さんなりの解釈も面白かった。
読了日:02月18日 著者:赤瀬川 原平
一人っ子同盟一人っ子同盟感想
昭和40年代生まれの一人っ子な私。あの頃の記憶をいくつも思い出しました。新聞に載っている料理メニューはいつも4人分。3人分するには、4で割って3かけなくちゃいけないし。家には子供一人だから、子供だけの会話を親は聞けないけど、子供はふすま越しに「両親の会話」が聞こえる。「両親の名前・職業」が書かれた一覧表なんて、まさに昭和。今作の一人っ子は①兄を交通事故で亡くした信夫②一人っ子だったのに母が再婚して弟ができたハム子③越してきたオサム。ハム子とオサムの個性が強烈。イラッとしながらも、それが子供なんだな。
読了日:02月20日 著者:重松 清
純平、考え直せ純平、考え直せ感想
組長から直に命を受けた「抗争相手の暗殺」。それも3日後。軍資金として大金ももらい、豪遊したり。今まで親の愛情も受けず、いつも孤独だった純平が。その3日間に、いろんな人と出会ったり、再会する。「これから刑務所に行こうという人間が、どうして人と出会ってばかりいるのか」と呟く場面。そんなもんだ。出会った女が「ラブホで会った純平ってヤーサンが、抗争相手を暗殺する」ってネットの掲示板に書き込んじゃったってところが今風。なので濃密な3日間が面白く一気に読みました。でさ、結末。奥田さんらしいフィニッシュですな。
読了日:02月20日 著者:奥田 英朗
ありがとうのかんづめ: 子育て短歌ダイアリーありがとうのかんづめ: 子育て短歌ダイアリー感想
俵さんの作品は、短歌はもちろんの事、エッセイも好きです。そういえばこれ、読んでいなかった。母親というのはこれほどまでに、温かく子供を見守って育てて行くものなのだなあと感服。エッセイの各文、最初と最後に短歌があって、その中に文章がある。わかりやすい内容になっているのも好感度大。子供が成長していく限られた期間の中で、母親のできること。それを俵さんなりに「ゲームをしたら、それと同じ時間本を読む」など、押しつけがましくならないように導いていく箇所。ゲーム禁止じゃなく、子供に考えさせるのも大切。周囲の人の協力もよし
読了日:02月28日 著者:俵 万智

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